目次

    色覚多様性とは

    ※本では「色覚異常」という文言でしたが、現在は色覚異常ではなく色覚多様性という言葉を提唱されています。

    「人間がもつ約3万個の遺伝子はどれも非常に多様なタイプがあり、そのうちのいずれか1つを”正常”や”異常”と呼ぶことはできない。」
    ゲノム生物学の研究成果の考え方は定説になりつつあります。色覚を「正常」と「異常」に線引きして分けるのではなく、色覚型の5種類(C型・P型・D型・A型・T型)を対等に扱うことをCUDOは提唱しています。また、割合が最も多いC型を「一般色覚者」と呼び、C型色覚以外を色の対応の不十分な社会における弱者として「色・弱者(しきじゃくしゃ)」と呼んでいます。*P型とD型は、さらに錐体細胞の状態の違いによって強度と弱度に分かれます。

    色覚の種類

    ●C型 Cypher-type (0型):一般的なタイプ=common-type
    ●P型 Protanope-type (1型):赤に敏感な視細胞(L錐体※)の機能に異常がある
    ●D型 Deuteranope-type(2型):緑に敏感な視細胞(M錐体※)の機能に異常がある
    ●T型 Tritanope-type (3型):青に敏感な視細胞(S錐体※)の機能に異常がある
    ●A型 Acromatic-type:錐体が1種類しかない、または全くなく杆体しか持たず、色を明暗でしか感じることができない
    ※↑の色覚チェックにA型は含まれていません

    日常生活での色の見え方はどんな感じなのか

    色弱の人がどんなふうに見えるかを確認できるサイトがあることを、本の「男性の9%、女性の0.5%が色覚異常」という項目で知りました。
    ※日本では男性の5%(20人に1人)、女性の0.2%(500人に1人)程度だそうです。

    試しに普段使っているサイトなどを検証してみたところ見え方の違いに衝撃を受けました。

    ▼本に記載されていた色覚の影響をチェックできるサイト
    https://www.toptal.com/designers/colorfilter

    西友ネットスーパー

    緑と赤がたくさん使われているのですが同じような色に見える・・・
    野菜系の色使いは注意したほうがいいですね。

    信号機の青黄赤

    普段なんとも思っていなかったこの色も、色弱の人からしたら見分けがつきにくい


    身内に色弱者がいるので、どう判断しているのかと以前聞いたことがありますが
    配置が決まっているのでそれで判断しているとのことでした。
    (ただ、たまにどれが光っているかわからないことがあるそうです。)

    いろいろと検索していたらユニバーサルデザインの信号機があることを知りました。
    一般的なC型以外にだけよく見える記号を入れるのもアリですね。

    では、デザインするときにどうしたらいいのか?

    色覚の影響を確認する

    ▼Photoshopでの確認方法

    メニュー内、表示 > 校正設定 >「P型(1型)色覚」「D型(2型)色覚」

    ▼Illustratorでの確認方法

    メニュー内、表示 > 校正設定 >「P型(1型)色覚」「D型(2型)色覚」

    ▼AdobeXDは?

    ※残念ながらAdobe XDでは校正設定という項目がなく、色覚多様性を確認する方法がないようです。

    ▼その他アプリでの確認方法

    色のシミュレータアプリ
    https://asada.website/cvsimulator/j/index.html
    スマホのカメラで見れるのは普段の生活の見え方が確認しやすいのですごく便利だと思いました。
    もちろん画像をアップして確認することも出来ます。

    デザインガイドを参考にする

    DIC カラーユニバーサルデザイン推奨配色セット
    https://www.dic-graphics.co.jp/navi/color/ud.html

    東京都カラーユニバーサルデザインガイド
    https://www.fukushihoken.metro.tokyo.lg.jp/kiban/machizukuri/kanren/color.files/colorudguideline.pdf
    ※その他の地域もカラーユニバーサルデザイン機構が監修したものが以下載っています https://www2.cudo.jp/wp/?page_id=567

    伝わるデザイン 配色のバリアフリー(わかりやすい)
    https://tsutawarudesign.com/universal1.html

    終わりに

    昔から色覚多様性があること知っていたけれど、実際にその違いを目にすると驚愕してしまいました。
    色覚多様性に対応したデザインを作れるように今後も気をつけていこうと思います。

    また、色覚P型が身近にいたのにあまり深く考えてこなかったのを反省しました。
    (プレゼントした洋服の色とか同じように見えていなかったのか・・・)

    色のシミュレータアプリが便利なので気になったらすぐ確認してみようと思います!
    最後までお読みいただきありがとうございました。

    参考

    ▼グッドデザイン賞:道路信号機 [色覚異常者に優しいユニバーサルデザインLED信号灯]
    https://www.g-mark.org/award/describe/37952

    ▼特定非営利活動法人Color Universal Design Organization (カラーユニバーサルデザイン機構、CUDO)のWeb サイト
    http://www.cudo.jp/

    ▼Adobe 色弱者向けの CUD ソフトプルーフ(擬似変換)(Photoshop および Illustrator)
    https://helpx.adobe.com/jp/photoshop/using/proofing-colors.html

    ▼色彩検定のUC
    https://www.aft.or.jp/uc/
    ↑ユニバーサルデザインに特化した検定があるのですね、初めて知りました。

    ▼EIZO 色覚シミュレーションソフトウェア「UniColor Pro※」
    https://www.eizo.co.jp/support/db/products/software/search?k=unicolor&x=0&y=0
    ↑macOS High Sierra (10.13)までしか対応していませんでした。そしてEIZOの画面じゃないとできないようでした。残念。

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