目次
ペルソナの人格の数はいくつ?
マーケティングの世界で設定される「Persona(ペルソナ)」
マーケティングにおいては、リアリティのあるこの架空のパーソナリティを設定することで
理想的な戦略イメージをもつことができるとされてきました。
往年、パーソナリティとは、ひとりの人間に対してひとつのものだと考えられてきました。
(わたしも長年そう思っていました)
そのなかで、近年、芥川賞作家・平野啓一郎氏が小説『ドーン』において
「人間とは、関係性やコミュニケーションによって変化する」という分人主義が提唱されました。
分人はポンデリング
ペルソナは、核となる「ほんとうの自分」はひとつで、
その上に仮面(Persona)を付け替えていくイメージですが
分人とは、環境に応じて分けられた人格のそのどれもが「ほんとうの自分」であるという考えです。
個人の体験としては「言葉遣い」という人格の出力がわかりやすいと思います。
家族と話すような言葉を、ビジネスシーンで使うことは稀ではないでしょうか。
また逆に親密なパートナーシップを望む場合、人はくだけた言葉を使う場合が多いことも同じです。
あくまでも言葉はツールですが、これらの出力に関わる根幹の人格について
いわゆる「ひとつの人格が装うキャラづくり」として生まれるのではなく
「ビジネスをする自分」「家族である自分」「パートナーとしての自分」
それぞれの人格が存在するというのが分人主義的な考え方といえそうです。
架空のユーザーも分人化していく?
これまで、マーケティングにおいての架空ユーザーのリアリティは
ひとつの人格から想定されてきましたが
分人化をとりいれることでリアリティの奥行きがでてきそうです。
環境や関係性に応じて人格(ひいては行動)が変わるとしたら
従来のサービスはより「個人」にフォーカスされていきます。
長い時間をかけてメディア・サービスだけでなく、ライフスタイルやコミュニケーションが
大衆(マス)から分解されたパーソナルへ移り変わっていきました。
コミュニケーションにおける連帯や共同のあり方も変わりつつあるなかで、
分人という個人のパーソナルを分解する考えを取り入れることで新しい変化が生まれそうですね。
自分の分人を分析するには?