目次

    障害者とは?

    身体障害者 精神障害者
    (発達障害者を含む)
    知的障害者 その他難病等を抱える方※1
    ※1 国・都道府県が定める難病や、原爆被害者健康手帳、公害医療手帳等
    ※2 基本は各種障害者手帳や給付を受ける人が対象になりますが、障害や社会のしくみ(建物や制度など。)によって日常生活や社会生活に相当な制限を受けているすべての人を対象になります。
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    合理的配慮とは何?

    心身の障害や社会的環境によって困難が発生する場合に、その困難を解消するためにできうる配慮のことを指します。
    例)知的障害者の方が興奮状態に陥ったため、落ち着くために別室を用意し落ち着いていただく。
    例)聴覚障害者と話す際に、マスクを外してゆっくりと大きな声で話す。(読唇術を使う人もいるため)

    不当な差別的扱いまたは、合理的配慮として不適格なもの

    • 例)障害を理由に不必要に介助者の同行を求める行為
    • 例)本人を無視して介助者だけに話しかける行為
    • 例)知的障害があるが、簡単なことなら答えられるにもかかわらず、介助者や家族のみから意向を聞き取る行為
    • 例)みだりに障害者である旨を他社に伝える行為

    対応が求められる者は?

    1. 国の行政機関・地方公共団体(いわゆる公務員)
    2. 民間事業者(一般企業)
    上記において、「不当な差別的扱いを”禁止”」「合理的配慮の提供を”義務”」とするものです。

    実は東京とは条例により前から義務化していた?!

    全国的に民間事業者が合理的配慮の義務化されるのは2024年4月1日からですが、実は東京都は『東京都障害者差別解消条例』によって2018年10月1日から義務化されているんです!ですので、東京都下の企業は本来であれば対応を変えずこれまで通りの接遇で問題ないことになります。
    ※誤解されがちですが、「義務化に伴って障害者のために経営や人員のことを考えずに配慮を行う必要がある」というのは間違いです。
    例えば、「資金繰りが厳しいのにスロープの設置や人員の増員をしなければいけない」「店舗が狭いので車椅子が通れないので移転をする必要がある」などがあたります。メディアのコメンテーターが内容を十分に理解せずにこのような発言をしている様子が見受けられますがこれは誤りです。
    東京都を表現したスカイツリーとビルのイラスト

    Web業界での合理的配慮ってどんなものが考えられるの?

    では、Web業界ではどのように合理的配慮を行えばよいでしょうか。いくつかの例を見ていきましょう。
    • 例)極力imgタグに分かりやすいalt属性を設定する

      これは、視覚障害者向けの対応になります。視覚障害者はスマートフォン等で音声読み上げ機能を利用するためalt属性があるとそれを読み上げてくれます。
      ですので、「桜の奥に富士山が見える写真」の様に具体的かつ分かりやすいalt属性を設定しましょう。

    • 例)表を挿入するときは、画像ではなくtableを利用する

      こちらも同様に視覚障害者向けの対応になります。基本的には文字の入っているものはhtml等で書き起こせないか検討しましょう。

    • 例)グラフなどの作図において、明度や彩度の離れた色を使用し近接する色との違いを明確にする

      こちらは色覚異常者(色弱ともいわれます)の方向けの配慮です。色の感じ方が限定的になるので異なる色が同色の様に見えてしまうためこのような対応を取ります。他方で、羞明(しゅうめい 感覚過敏の一種。まぶしく感じること)の方に配慮して明るく眩しさを感じる色は差し色程度の使用にとどめる配慮も必要です。

    おわりに

    「合理的配慮」と聞くと難しいことの様に思われると思いますが、基本は「相手の立場や状況に立って考えてみよう」ということです。
    また、自分が分かりにくい、使いにくい、危ない思いをしたという事柄は障害者にとっては大きなバリアになることが考えられます。こうした気づきを積極的に活かしていきましょう。
    tugi
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