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ペルソナとは
「ペルソナ」という言葉にはもともと「仮面」や「人格」といった意味がありますが、マーケティングの文脈においては、自社の製品・サービスを利用する典型的なユーザー像をペルソナと呼びます。
ペルソナは必ずしも1人に設定する必要はなく、3つ程度を描くのが一般的です。
その中でも、最も優先すべき顧客をプライマリーユーザー、二次的な対象となるユーザーをセカンダリーユーザー、それ以外に考慮すべき顧客を特殊ユーザーと表現します。ビジネスのゴールは一つではないことが多いため、ペルソナも複数になります。
ターゲットとの違い
ターゲットもペルソナも製品やサービスのユーザー層を表すものですが、最大の違いは両者の具体性です。
ターゲットが「同じ属性を持つユーザーのグループ」を表す抽象的なものであるに対し、ペルソナはそうしたグループを代表する「1人の人物」を表す具体的なものです。
以下の表にターゲットとペルソナの違いを記載します。
なお、ここで注意したいのは、ターゲットとペルソナは単純に横並びに比較して良し悪しを論じるものではないということです。両者は同じ「ユーザー像」を異なる切り口で表現したものであるため、それぞれに活用シーンに合わせてどちらがベターかを考えていきます。
なぜペルソナが重要なのか
八方美人には魅力がない
そもそも、ペルソナが注目されるきっかけになったのは1990年代後半にAlan Cooperというソフトウェアエンジニアが導入したデザイン手法です。
Cooper氏は著書、「コンピューターは、難しすぎて使えない」の中でこのように述べています。
「多くのユーザーを満足させようとするより、たった一人のためにデザインする方が成功する」と。
つまり、顧客像が明確な製品やサービスほど評価が高く、人気がある一方で、誰に何を伝えたいかが曖昧ないわゆる八方美人のそれは、ユーザーにとっても心に刺さらないということです。
余談ですが、僕は1年前にWebマーケティングを実践しようと、Twitterアカウントを開設し、0から半年でフォロワー1000人を目指す取り組みをしました。
結果、7ヶ月かかりましたが1040人ほどのフォロワーを獲得することができました。
それができたのは、僕が特別な実績や経験を持っていたからではなく、ペルソナを設定し、誰のために情報発信をするかを明確に決めていたからです。
その人のためにサービスを提供するから心に刺さる。ペルソナを設定するということには、そのような意味があります。
プロジェクト関係者で共通認識をもつ
サービス設計の段階でペルソナを設定する目的はもう一つあります。
それはクライアントやディレクター、デザイナー、エンジニアなどのプロジェクト関係者間で共通認識を持たせるということです。
どんなデザインにするべきか、もしくはどんな機能を実装するべきかの判断に迷った時、ペルソナを軸にして考えれば、「このユーザー像がゴールを達成するためにはこんなデザインがいいと思う」などの結論を導きやすくなります。
まとめ
今回は「ペルソナ」の重要性についてお話しました。
Webサイトのみならず、どんな製品・サービスにもビジネス上のゴールとユーザーのゴールの2つが存在します。
正しく情報アーキテクチャを設計することで、より魅力的な製品・サービスが生まれます。
「ペルソナ」というデザイン手法は、日常生活でも活用できる考え方です。
誰に届けたいのか。誰を喜ばせたいのか。
そういう本質的な問いの先に優れたサービスが生まれるのだと思います。