目次
1 はじめに LPにおける計測の目的とは
LP ランディングページ はユーザーにひとつの明確なアクションCV を促すために設計されたページです 商品の購入、資料請求、問い合わせ、無料体験申し込みなどコンバージョンに直結する目的を持つLPでは 細かなユーザー行動を可視化しCVに至るまでの障害を特定 改善することが重要です。GTM Google Tag Manager とGA4 Google Analytics 4 を連携すれば コード編集なしに柔軟なイベント計測が可能となり LP改善に必要なインサイトの取得を自動化できます。
具体例として CTAクリックを計測するには
2 GTMとGA4の基本構成
GTMはWebページにタグ GA4 広告コンバージョンタグ クリックイベントなど をまとめて管理できるツールです 一度設置すれば 開発不要でマーケター自身が柔軟にイベント追加や変更を行えます。GA4はイベントベースの計測モデルで構成されており、ボタンのクリックやフォームの入力完了など LPにおける重要なアクションをカスタムイベントとして取得できます。
GTMを通じてGA4にイベントを送信することで LP上のユーザーの動線 離脱ポイント 成果につながる行動をすべて数値化できます。
3 LPで重視すべき計測項目
LPでは PV数やセッションだけでなく CVに直結する行動をイベントとして追うことが成功のカギとなります 以下はよく使われる計測ポイントです。- ・CTAボタンのクリック数
- ・資料請求 購入などの主要アクション
- ・フォームの各ステップ通過率
- ・名前 メール 送信など分岐の分析
- ・フォームエラーの発生箇所
- ・ユーザー離脱の原因を可視化
- ・スクロール率 (例 50パーセント 75パーセント 100パーセント)
- ・最下部のCTAまで到達しているか
- ・滞在時間やアクティブ率
- ・実際に見られている時間や関心度合いを測る
4 GTMでのタグ管理とイベント設計
基本構成は次の通りです- 1.GA4設定タグの追加 トリガー すべてのページ
- 2.クリックトリガーでCTAボタンのクリックを計測
- 3.フォーム送信イベントのカスタムタグ設置
- 4.スクロールトリガーの設定 パーセント指定で分岐
- 5.Error要素の検出トリガーで入力ミスの箇所を把握
- ・トリガーは CSSセレクタで cta button
- ・タグにはGA4イベントを送信
- ・イベント名 cta click
- ・イベントラベル 資料請求CTA
- ・イベントカテゴリ CTA
5 GA4でのデータ活用と最適化方法
GA4では 取得したイベントをもとに、ユーザーの行動をさまざまな視点で分析できます。おすすめのGA4レポート構成は以下の通りです
- ・イベント別コンバージョン率(CTAクリックからCVまでの完了率を可視化)
- ・ファネル分析(フォーム各ステップの通過率と離脱率を表示)
- ・ユーザー属性別の反応(デバイス 地域 流入元別にコンバージョン率を比較)
- ・パス探索レポート(訪問からCVまでの行動ルートを可視化)
さらに GA4はBigQueryとの連携により SQLベースの高度な分析にも対応可能です。
6 よくある課題と改善アプローチ
課題1 CTAボタンが押されていない
→スクロール率や可視領域のデータを見て CTAが見られていないことが原因かを判断する
課題2 フォーム入力途中での離脱
→各項目でのエラーイベントや途中送信イベントを取得し 離脱タイミングを可視化する
課題3 セグメントによってCVに差がある
→GA4で流入元やデバイス別にレポートを分解し ターゲティングやUI改善に活かす
7 まとめ LP改善のためのデータ活用サイクル
LPにおけるGTMとGA4の活用は 単なるアクセス解析ではなく ユーザーの行動に基づく改善の武器となります
- ・ユーザーの行動を可視化、計測設計
- ・データをもとに仮説を立て、分析
- ・デザインや導線を変更/改善
- ・結果を再度測定する検証
GTMで自由にイベントを設計し GA4で柔軟に分析する この組み合わせは 成果重視のLP運用において非常に強力なツールセットです。
次回は、簡単ではありますが私が実装した社内LPのGTMタグの活用事例をもとに、具体的な実装方法についてみていくこととします。