目次
1. 業界ごとに「適切な表現」を選ぶ
業種によって使う英語のニュアンスは大きく異なります。日本語で当たり前に使っている表現が、英語ではまったく通じなかったり、稚拙に感じられることもあります。
▼業界別:代表的な表現例
業界 | NGワード例(直訳) | 適切な英語表現 |
---|---|---|
製造業 | High technology | →Advanced manufacturing / Cutting-edge production technology |
IT | System development | →Custom software development / Enterprise solutions |
自動車 | Car maker | →Automotive manufacturer / OEM |
食品業界 | Delicious taste | →Authentic flavor / Rich umami profile |
教育 | Human resource development | →Talent development / Professional training |
翻訳ではなく「その業界で実際に使われている言い回し」を調べて使うことが重要です。
2. 文体と文法のルールを統一する
英語サイトでは、一貫性のある書き方(Tone & Style)が非常に重視されます。社内に英語話者がいなくても、次の基本ルールを守るだけでクオリティが格段に上がります。
▼基本ルール一覧
要素 | ルール例 |
---|---|
大文字の使い方 | →見出しはすべての単語の頭文字を大文字。本文では文頭と固有名詞のみ大文字。 |
数字の書き方 | →10以上は数字、10未満は綴る(例:five, 15) |
単語の選び方 | →短くシンプルな単語を選ぶ(例:× Utilize → ○ Use) |
文の長さ | →1文は15〜20語以内が理想。長い文は分ける |
口調 | →カジュアルすぎず、丁寧かつ簡潔に |
3. ボタンやUIラベルは「英語UIの常識」に合わせる
英語サイトで特に「違和感」が出やすいのが、ボタンやメニュー名です。日本語と同じ感覚で作ると、「何をするボタンなのか」が分かりにくくなります。
▼よくあるボタン表記と正解例
日本語 | 直訳 | 英語UIでの自然な表現 |
---|---|---|
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英語ネイティブのUIテキストは、シンプルで動作を明確に伝える言葉を使います。
4. 英語の「通例」に合わせるその他のポイント
- ・企業紹介では現在形が基本 企業や組織の紹介文では、現在形を使用することが基本です。過去形を使うと、現在の状況を適切に反映できないことがあります。
- ・(× We had offices → ○ We have offices)
- ・社名に略語はつけない 企業の名前に略語や省略形を使うことは避けるべきです。略語は混乱を招く可能性があり、正式な企業名を使用することが望ましいです。
- ・(例:× ABC Inc. → ○ ABC Corporation)
- ・フォーマルすぎる単語は避ける 過度にフォーマルな言葉を避け、簡潔で理解しやすい表現を使うことが大切です。読者が理解しやすい文章が求められます。
- ・(例:× commence → ○ start)
- ・(例:× endeavor → ○ try)
- ・(例:× ascertain → ○ find out)
- ・不必要な言い回しを避ける 英語では簡潔さが重視されます。複雑な言い回しを使わず、ストレートでわかりやすい表現を心がけることが重要です。
- ・(例:× due to the fact that → ○ because)
- ・(例:× in order to → ○ to)
- ・書き言葉と話し言葉のバランスを取る ビジネス文書では、書き言葉と話し言葉のバランスが求められます。過度に堅苦しい表現や、カジュアルすぎる言葉遣いは避け、適切なトーンを保つことが重要です。
- ・視覚的に整った文書作成 英語では、文書が視覚的に整っていることも重要です。段落を適切に分け、必要に応じてリストや見出しを使用して、読者が情報を簡単に吸収できるようにしましょう。
- ・用語の一貫性を保つ 企業の公式な文書やウェブサイトでは、専門用語や表現の一貫性を保つことが大切です。同じ意味を持つ言葉でも、文書内で使う言葉を統一することで、読者に対する混乱を防ぎます。
まとめ:英語サイトは「文化に合わせること」が最大の鍵
日本語の美しさや丁寧さをそのまま英語にするのではなく、相手の文化・期待・常識に合わせて伝えることが、英語Webサイト成功の最短ルートです。
以下を社内ガイドラインとして共有することで、表記ブレを防げます:
- ・業界用語リスト
- ・UI文言テンプレート
- ・英文の文法・文体ルールまとめ
英語サイトは「会社の顔」です。ネイティブの信頼を得られるサイト作りを始めましょう。