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    TwitterやInstagramなどのSNSが普及したことで、より身近になった「タグ」の存在。若者にとっては、欲しい情報を探す際、系統的に整理されたカテゴリから探すより、タグで探すことのほうが当たり前かもしれません。
    サイトのユーザビリティに大きく影響するカテゴリ検索とタグ検索のUXのあり方を少し深掘りしてみたいと思います。


    カテゴリとタグの違い

    カテゴリとタグの関係性を図にまとめました。カテゴリとは、コンテンツを格納する”フォルダ”を、タグとはコンテンツに貼られた札のようなものをイメージしていただくとわかりやすいかもしれません。

    大きな違いとしては、カテゴリは階層構造(親子関係)を持つことができますが、タグはそれぞれが独立しています。
    タグの基本的な使い方として、カテゴリにするほどではない・・・でもユーザーに需要があるキーワードを設定することが多いです。

    このようにカテゴリとタグは、データの扱い方が異なるのですが、実際にサイト上でコンテンツの検索に使う場合、どのようなUXが適切なのでしょうか?
    メディア型のサイトの事例をいくつか見たところ、カテゴリ検索・タグ検索のUXにいくつか種類があったので、
    それぞれのメリットとデメリット、向いているコンテンツについてまとめてみました。



    【王道】カテゴリとタグをきちんとわけて検索

    まずは、
    王道のパターンとして、カテゴリとタグをきちんとわけて検索できるものをご紹介します。


    https://liskul.com/sitecontent-map


    こちらのサイトは、カテゴリとタグを分けて表示し、それぞれ検索できるようになっています。
    さきほどの「カテゴリとタグの違い」からすると、自然でわかりやすい表現です。

    メリットとして、下記があげられます。

    ・コンテンツがカテゴリできちんと整理されているため、カテゴリに情報が蓄積されていく
    ・普遍的なカテゴリのキーワードと対比され、タグがよりHOTなトレンドのキーワードという印象を受ける

    このような検索は、カテゴリわけしないと情報が整理できない広いジャンルのコンテンツを扱うサイトや、エンタメ系よりも知識系の、アーカイブを残したいコンテンツを扱うサイトに向いていると言えます。




    【王道2】タグ検索のみ

    タグ検索しかないサイトも最近よく見かけます。
    たとえば、こちらのサイトはタグ検索しかできません。



    https://predge.jp


    メリットとして、下記があげられます。
    ・カテゴリより具体的なキーワードで検索でき、欲しい情報にすぐアクセスできる
    ・気になったキーワードをクリックし、サイトを回遊しやすい
    タグ自体のキーワードが具体的でつかみの強いことが多く、違うコンテンツにどんどん遷移することができるので、楽しむことを目的としたエンタメ系のコンテンツを扱うサイトが向いているでしょう。



    【イレギュラー?】カテゴリとタグを同列に扱った”ラベル”で検索

    カテゴリがタグと一緒くたに並べられ、あたかも同列に見えるようにデザインされた、「ラベル」で検索できるものがあります。
    たとえば、こちらのサイト。



    ▲ヘッダーのカテゴリ



    ▲記事詳細ページのラベル

    https://www.huffingtonpost.jp/

    ヘッダーのグローバルメニューを見ると、「NEWS」「これからの経済」「特集」….などのカテゴリがあります。

    しかし、ページ詳細にいってみると、関連タグと同列に「news」というカテゴリと同様のキーワードが混ざっていることがわかります。
    さきほど「カテゴリとタグの違い」で述べたように、データの扱い方の観点からすると気持ち悪い並びではあるのですが、ユーザーはタグやカテゴリを特に意識することはなく、気になったキーワードをクリックし、次の記事を検索することができます。

    メリットとして、下記があげられます。
    ・タグ検索のようなUXで回遊できるが、きちんとコンテンツも整理・アーカイブできる

    まさにカテゴリ検索とタグ検索のいいとこ取りをしたUXですね。さまざまなコンテンツを扱うのでカテゴリできちんと整理したい、でもサイト回遊もしてもらいたい、そんなサイトが向いているでしょう。



    いかがでしたでしょうか?
    サイトを作る側からすると、コンテンツのデータを整理する上でカテゴリ/タグはきちんと整理すべきなのですが、ユーザーにとって、カテゴリとタグという仕分けはさほど重要ではないのかもしれないですね。
    コンテンツをきちんと整理して、アーカイブを残すサイトなのか、気になったキーワードでどんどん回遊してもらうサイトなのか、その目的によって、カテゴリ検索・タグ検索のUXを検討してみるのも良いかもしれません。


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