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    靴の修理に補助金!

    フランスでは、2023年10月から靴や衣服の修理に補助金が支給されるようになった。靴のかかとの修理に7ユーロ(約1,130円)、衣類の修理に10ユーロ(約1,615円)から25ユーロ(約4,038円)の補助金を政府が支給するとル・モンド紙が報じた。この制度には今後5年間で、1億5400万ユーロ(約250億円)が投じられる。

    フランス政府は、国民が所有する物を捨てたり新品を購入したりするのではなく、この制度が、これまで持っていた物を所有し続ける動機になることを期待している。

    ファッション産業は世界の二酸化炭素排出量の10%を排出しており、これは飛行機の国際線と海運を合わせた排出量を上回っており、毎年約210億トンの衣類が埋立地に送られていると報じられている。

    サステイナビリティの支持者たちは、気候危機を遅らせ、既存の資源を再利用し、廃棄物を削減する循環型経済を構築する方法のひとつとして、衣類の修理を支持している。だが、修理を常態化するにはコストの壁があり、かえって高額になってしまうこともある。
    実は、フランス政府が修理を奨励するのは今回が初めてではない。2023年4月、政府は家電製品を廃棄する代わりに修理した市民に対する補助金を倍増した。これはプログラムの参加企業を通じて家電製品を修理した場合、掃除機などの小物の場合は最大30ユーロ(約4,846円)、パソコンであれば最大90ユーロ(約1万4538円)を受け取ることができるものだ。

    さらに、ベシュ=エコロジー移行相は電気製品の買替えより修理を促すための補助金支給の対象製品を2024年1月に49品目から73品目に増やすと発表。例えば、スマホ画面修理には25ユーロ(約4,038円)の補助金が出る。認定修理業者も現行の4300業者から来年には倍になる。補助金も20品目で5€増し、洗濯機、食洗機、テレビなど5品目では倍。修理可能認定商品には10~40ユーロの値引き措置も取られる。

    フランスは世界で最もサステナブルな国というわけではないが、エール大学が毎年発表している環境パフォーマンス指数では12位にランクインしている。新しいもの好きの日本人にとって見習いたい取り組みだ。
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