目次
■聖書でも使われる最強の文章術『ストーリーテリング』
参考元:ポール・スミス氏提唱「カーフレイムワーク(CAR)」
(P&Gコンシューマー&コミュニーケーション研究所所長)
01. ストーリーテリング
ストーリーテリングとは物語を上手に語り、相手の心を上手に動かす事が出来るテクニックです。また、このテクニックは練習すれば誰にでも手に入れる事ができ、ストーリーを語れる事で相手の心に刺さる文章を作れるようになります。そして、その際に必要となる技術がCARになりますのでこれから詳しく解説していきます。
02. カーフレイムワーク(CAR framework)
まず初めにCARを意識する事が、ストーリーテリングの基本中の基本になります。そしてCARとは、リーダーシップ研究で有名なポール・スミス氏が提唱するストーリーテリングの枠組みの事ですが、人間の脳は論理的な文章よりも物語で伝えてあげる方が、実は情報を処理しやすい仕組みになっています。ですので、CARを使用する事で相手に分かってもらい、納得して心を動かしたい場合に、ストリーテリングの技法を意識しておく事は非常に重要になります。
03.C コンテクスト(文脈)
コンテクストとは例えるならYouTube動画や映画のサムネイルの事ですが、まず相手にストーリーを理解してもらうためには、背景情報を提供する必要があります。なぜなら相手は背景情報が無いと混乱してしまうからです。また相手に先に伝える必要のある情報として①いつなのか②誰なのか③主人公は何を達成したいのか④達成を邪魔する障害などがあります。
例)最近あなたに彼女が出来たとしましょう!♪
✕この間、友達と居酒屋に行った時にさあ、お前も誘ったけど来なかったとき、実は・・・
→背景情報が分かりにくく、長くて興味が薄れる
◯最近、俺、彼女出来たんだよね!(いつ・誰・達成)
→断然2番目の方が切り出し方にインパクトがあり興味を引きませんか?
04.A アクション(浮き沈み)
アクションとは面白いストーリーには必ず浮き沈みがある事を意味します。また、その際に誰でもその浮き沈みを作り出し、相手の感情を揺さぶる事の出来る、2つの型がありますのでご紹介します。
① 上げて、下げて、また上げる(クライマックス法)
例)
運命的な出会いに徐々に惹かれ合う2人。幸せな時間が続くかと思ったその時、パートナーが突然倒れ余命宣告を受ける。これは大切な人との残された時間をどう過ごすか深く考え、寄り添っていく主人公の物語である。
②結論を最初に伝える(アンチクライマックス法)
例)◯月✕日、東京都渋谷区の2階のアパートで殺人事件が起きました。
―――ポイントーーー
(クライマックス法)
相手との信頼関係がある、相手が既に興味を持っている場合
(アンチクライマックス法)
相手との信頼関係がまだ無い、相手があなたの話に興味がない場合
基本的にこの2つの型を実践すれば相手を惹きつける文章を作る事が出来ます。
05.R リザルト(結果)
CARの締めくくりとしてリザルト、つまり①コンテクストで相手の興味を引き②アクションで相手の感情を動かし③最後に『結果・説得したい事・提案』などを盛り込みましょう。
06.実践
①告白シーン
「最近〇〇さんと話していると、すごく楽しい気持ちに気付きました。」(上げる)
「でも、そう思ってるのは自分だけかもしれないし、好意を伝えたら今の関係が崩れるかもしれない・・・と悪い想像もしたんです。」(下げる)
「だけとやっぱり好意を伝えて、もっと親しい関係になりたいと思いました。」(上げる)
「一度、仕事抜きで会う時間を作ってもらえませんか?」(お願い事)
② プレゼンシーン
「このサービスを御社に導入すると、コストが25%削減できます。」(上げる)
「以前は技術的な障害があり、こうしたサービスは提供出来ませんでした。」(下げる)
「ですが、技術革新により開発が可能になりました。」(上げる)
「御社ではコスト面での問題を抱えていませんか?」
「新サービスの導入により25%コスト削減が実現します。」(説得)
07.まとめ
本日も最後まで見て頂きありがとうございました!少し今回は文章のボリュームが多くなってしまいましたが、以前の記事から繋がる、キャッチコピーで相手の興味を引き、読み手に好感を持って読んでもらえる基本的な文章の書き方を覚え、最後に相手を説得する段階でストーリーテリングを使い相手の心を動かせれば、「セールス・プレゼン・マーケティング」などで大きな成果を上げる確率を高くする事が出来ます。ぜひ実践に活用してみてはいかがでしょうか。
「マーケティングの究極の目的はセールスを不要にする事である。」
―P.F.ドラッカー(マネジメントの父)