目次

    今回は学びというよりも、日々考えていることをまとめてみたい。
    過去に学んできたことや読んだ本も影響しているものの、明確なソースはないので、一個人の意見としてご笑覧いただきたい。

    日々良いデザインは何か、について考えていると、「コミュニケーション」という視点は切り離せないとつくづく思う。

    現に、グラフィックデザインの成り立ちは、意思疎通や情報伝達など、コミュニケーションを目的としているといっても過言ではない。

    例えば、地図は言葉がない時代に位置関係や距離を他者に伝えるために、
    楽譜は蓄音機がない時代に音階と時系列の関係を他者に伝えるために生まれた。
    グラフィックを用い一定のルールを決めること(デザインすること)で、言葉では伝えきれない情報を伝えていた。

    グラフィックの領域に含まれるwebデザインも例に漏れないが、日々業務をこなしていると、使い勝手や機能を実装することに精一杯になり、他者との「コミュニケーション」という視点をつい忘れがちになってしまう。
    もちろんwebのデザインは考慮すべきことが多く、CV率やUIUXが大きく叫ばれる中では、そちらにばかり目を奪われてしまうことも仕方がない。

    しかし、webもグラフィックデザインの1つと考えると、LPもECサイトもコーポレートサイトも広告も、根本はクライアントが持つモノ(良い会社、良いサービス、良いコンテンツ、良い仕事)を他者に伝えるために存在すると思う。


    コミュニケーションの視点を持ち、デザインするということ。
    そのために、何をするべきか。

    コミュニケーション (communication) の語源はラテン語のcommunicatio=「分かちあうこと、共有すること」。
    美味しいレストランを誰かに紹介するように、面白い映画を誰かにオススメするように、、
    伝えたい「クライアントが持つモノ」自体を深く理解する/「誰」に伝えたいか考える ということが必要ではないかと思う。

    元々何かを言葉にすることは得意ではないが、今までの経験や学びから、この2点のコツをなんとなく掴んできた気もする。


    ①「クライアントが持つモノ」自体を深く理解する
    「モノ」についての知識がないのなら、それについて調べたり知識をつけることは当たり前に必要だ。
    しかし、ネットや本に載っている他人の言葉を借りて話しても、誰も聞いてくれない。
    実際に体験して、感じたことを自分の言葉で話しなさい。

    これは私が新卒で入った会社で、アパレルの販売員をしているときの上司の教えだ。
    人に伝えるためには、伝える対象をよく観察し自分の頭で理解する力が必要だということを教えていただいた。
    今思うと販売だけでなく、全ての仕事において役に立つ思考だと思う。


    ②「誰」に伝えたいか考える
    この「誰」というのは、webデザインを考えるよりもっと上流、商品自体の開発であったり、会社自体の戦略であったりで既に設定されていることが多い。
    設定されていたとしても、デザインする上でもう少し深掘りすることは必要だと思う。
    z世代であったりF1層であったり、マーケティング界隈で言われている指標はもちろん参考にしつつ、「誰」は普段どんな生活をしていて、何に興味があるのか、どんなものに触れているのか、生身の人間であるということに思いを馳せたい。

    人間の想像力の限界は経験したことの範囲だという。
    「誰」に思いを馳せるために、いろんな「誰」に会うことは大切だなと思う。


    ①②をきちんと突き詰めれば、自ずとコンセプトや表現のアイデアは浮かび上がってくるし、それが素直に表層に現れるのが良いデザインだと思う。

    今作っているサイトは誰に何を伝えるものなのか。
    日々の案件では、納期や契約など大人の事情で、どうしてもwebサイトというハコをつくるだけにとどまってしまう案件もあるが、伝えるべきサービスや商品に向き合い、伝えるべき相手を思い浮かべる姿勢を忘れずにいたい。


    と、理想の理想を掲げてみるものの、その実現はなかなかどうして難しい。
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