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バンドワゴン効果とは?
「バンドワゴン効果(bandwagon effect)」とは、経済学者、ライベンシュタイン(Harvey Leibenstein)が1950年に発表した論文、
「Bandwagon, Snob and Veblen Effects in the Theory of Consumers' Demand(消費者需要理論におけるバンドワゴン効果、スノッブ効果、及びヴェブレン効果)」の中で提示した効果です。
ある製品や事柄に対して多数がそれを支持している場合、その製品や事柄への支持がよりいっそう高くなるといった現象のことで、
「他人が持っているから自分も欲しい、流行に乗り遅れたくない」と言った心理が働いています。
バンドワゴンとはもともと、パレードなどの行列の先頭を率いている音楽隊や楽隊車という意味の言葉です。バンドワゴンの華やかな演奏に惹かれて後についてくる人々がだんだんと増えていき、やがてお祭り騒ぎになっていく様子を思い浮かべてみるとどうでしょう。
最初の数人は心からバンドの演奏やパフォーマンスを良いと思ってついて行ったのだと考えられますが、行列の最後の方になると「他の人たちが追いかけて行っているんだから、自分も追いかけて行けばきっと良いことがあるだろう」と考えて追いかけている人たちも少なくないだろうということが考えられます。
つまり、多くの人たちが良いと言っている=良いものだと思っているのだといえます。
バンドワゴン効果は、食品や映画・漫画など社会現象といわれるくらいに流行するものに対して起こりやすい効果です。最近でいえば、食品ならタピオカやマリトッツォ、映画や漫画なら君の名は。や鬼滅の刃などが記憶に新しいかと思います。
皆さんもこれらの食品または作品の名前を見聞きしたりしたことがあるのではないでしょうか?そして、これらのものに対してネガティブなイメージのみを抱いている人は少ないのではないでしょうか。
また、この論文タイトルにもある通り、同じような現象としてスノッブ効果、ヴェブレン効果というものがります。
他の2つの効果についても簡単に説明すると、下記のようになります。
スノッブ効果:入手の難易度が上がるほど需要が増し、反対に誰もが簡単に入手できるようになると需要が減少するといった現象の事です。
「他人とは違うものが欲しい」という心理が働いていて、限定性・希少性があればあるほど価値も伴って上がります。
バンドワゴン効果とは真逆の効果であり、アパレル関連製品や食べもの、コレクションアイテムなど他人との違いをアピールできるような、自分のステータスを示せるようなものに対して起こりやすい効果です。
ヴェブレン効果:製品の価格が高まるほど製品の効用も高まるという現象の事です。上記のスノッブ効果に顕示欲が加わった効果ともいえ、
「価値のあるハイブランドの商品を持っていることで周囲から『すごい』と思われたい」
という見せびらかしの心理が働いています。この効果は対象の物自身が高級品であるだけではなく、その物が高級品であることを世間が知っており、高級品として市民権を得ているようなものに対して起こる効果です。
※わかりやすい例でいえば、ヴィトンのバッグやロレックスの腕時計といったものが挙げられます。これらのものは、よほどのことがない限り国や年齢、性別などを問わず高級であることが知られているものだといえるためです。
WEBサイトに活かす
さて、上記で解説したバンドワゴン効果をWEBサイトに活かすにはどうすればよいでしょうか。
よく見かける例では”お客様/ユーザーの声”や"体験談"といったコンテンツを使うことです。
このようなコンテンツではコメントの内容はもちろん、数も大切になってきます。
ECサイトで実際に買い物をする時を想像してみると、口コミが1件しかない商品と口コミが100件ある商品であったとすれば、100件ある方を購入したくなるのではないでしょうか。
(ここでいう口コミにはやらせやサクラのような信憑性の低い内容は含まず、きちんとした内容であることを前提としています)
さらに、キャッチコピーにもこの効果を活かすことができます。
例えばよく映画などの紹介文で見かける「全米が感動した」というコピー。
これは全米=多くの人が、感動した=心が動いた、ということを示しているといえます。
このコピーを見ることで多くのユーザーはきっと誰もが感動するようなストーリーなのだろう?と予想し、
ユーザーによってはもしそんなに感動するならぜひ見てみたいかも、と映画館に足を運ぶかもしれません。
また、インフルエンサーマーケティングにもバンドワゴン効果は潜んでいます。
例えば、Instagramにおいていいねが多くついているレストランの投稿を見かけたとします。
その時、ユーザーは「こんなにたくさんのいいねがついているということはステキなお店なのかもしれない」「どういうメニューを出すお店なのだろう?」
と興味を持つことが多いのではないでしょうか?
少なくとも、「いいねがたくさんついているから絶対にこのお店には行かない!」と思ってしまうようなユーザーはそう多くはないと考えられます。
これらの例のように、うまくバンドワゴン効果を活かすことでCV効果の高いWEBサイトを作ることが可能です。
やりすぎは良くないですが、ポイントを絞り今回紹介したようなコンテンツや手法を織り込むことで、ユーザーの深層心理、そして実際の行動によく働きかけてくれることでしょう。
最後に
いかがでしたでしょうか?
今回は心理学におけるバンドワゴン効果についての解説でした。
皆さんの生活に活かして下さいますと幸いです。
最後まで読んで頂きありがとうございました。