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    ウェブサイトの翻訳は、企業の国際化において不可欠なステップです。企業サイトを海外ユーザーにアクセス可能にする、海外でサービスを提供する、または外国市場で製品を販売する場合、翻訳は極めて重要な役割を果たします。しかし、翻訳はしばしば軽視されたり、後回しにされたりします。本来であれば、プロジェクトの最初の段階から考慮すべき要素です。
    本記事では、予算に応じたさまざまな翻訳戦略を紹介します。

    高予算アプローチ

    十分な予算を確保できる企業には、より包括的でローカライズされたアプローチが推奨されます。これは、国際的なオーディエンスや特定の外国市場向けに専用のウェブサイトを作成する方法です。

    主な特徴:

    国際向けウェブサイトの場合:
    ・シンプルで直感的な構造、国際ユーザビリティに最適化されたデザイン
    ・明確で広く認識されている英語表現(例:「About Us」「Contact Us Now!」)
    ・複雑すぎる言葉や特定の地域に偏った表現を避け、分かりやすい言葉を使用

    特定の言語向けにローカライズされたウェブサイトの場合:
    ・UXや機能を現地の基準や期待に適合させる
    ・例: 日本向けサイトでは、注文時やアカウント作成時に情報確認ページを追加するのが一般的。一方で、ヨーロッパ向けサイトでは厳格なデータ保護ポリシーを反映した詳細なクッキーポリシーが求められる。
    ・直訳ではなく、自然な表現にローカライズされたUI

    この方法は、単に既存のウェブサイトを単語ごとに翻訳するのではなく、国際市場や現地の期待に合わせて最適化された別バージョンを開発することを意味します。

    ✅ メリット: 高度なローカライズ、コンテンツの品質向上、ブランドイメージの強化
    ❌ デメリット: 開発・維持にかかるコストが高い

    例:
    トヨタ 日本版・英国版
    https://toyota.jp/
    https://www.toyota.co.uk/
    マクドナルド 日本版・米国版
    https://www.mcdonalds.com/us/en-us.html
    https://www.mcdonalds.co.jp/

    低予算アプローチ

    限られたリソースの中で翻訳を実施する場合、コストを抑えつつ、国際市場または特定の市場のユーザーにアクセスしやすくするシンプルな翻訳手法が選択肢となります。

    主な特徴:

    ・既存のウェブサイトを直接翻訳し、レイアウトや機能を変更しない
    ・コスト削減のためにシンプルな翻訳ツールや自動翻訳を活用
    ・言語切り替えオプションをメニューやフッターに設置

    多くの大手グローバルブランドは、このアプローチを採用して、統一されたブランドアイデンティティを維持しながらコストを抑えています。しかし、この方法では、現地のUXの期待に完全に合致しない可能性があり、ユーザビリティの課題が生じることもあります。


    ✅ メリット: 低コスト、迅速な導入、ブランドの一貫性維持
    ❌ デメリット: UXの最適化が不足し、ユーザビリティの問題が発生する可能性

    例:
    Apple 日本版・US版
    https://www.apple.com/jp/
    https://www.apple.com/

    まとめ

    ウェブサイトの翻訳は、単にテキストを変換することだけではなく、国際的なユーザーに対して使いやすさ、文化的な適合性、そしてアクセシビリティを確保することが重要です。適切なアプローチを選ぶには、予算、ターゲットオーディエンス、そしてビジネス目標を考慮する必要があります。

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