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    タグラインの概要

    〝タグライン〟と聞いても、ピンとこなかったりする方もいるかと思うので、少し解説しますと…
    意味だけで言うなれば、タグ(物事を認識・識別する付け札やレッテル、またはそれを付けること)+ライン(一筆、一節を意味します)=企業やブランドを認識するための一節、となります。
    それは様々な意図が存在しますが、企業や商品・サービスと顧客との重要なコミュニケーションの手段と言えるものです。
    慣した表現とすれば「あなたにこんなメリットをもたらす企業(商品・サービス)なのです」と、顧客と交わす「約束」でもあります。
    タグラインで企業やブランドの普遍的な価値が明確化されることで、そのアイデンティティを確立し、競合他社との差別化や市場におけるポジショニングを分かりやすくするという効果もあります。

    キャッチコピーやスローガンとの違い

    キャッチコピーの場合は文字通り、見込み客(潜在顧客)やユーザーの心を掴む(キャッチする)ことが目的であり、ターゲットや季節・キャンペーンと限定的に使われることが多いため、トレンド等を盛り込んで興味を持ってもらうということが重要になります。
    つまり、メディアを問わず広告やCMで声高らかにであったり視覚的にも聴覚的にも、買い手や使い手の購買欲や趣向に刺さったり染み込むような、Wiki的表現とすれば告知や宣伝に用いられる文章、煽り文句、ですね。
    片やのスローガンは企業の理念や目的を顧客に対する約束事、とすると『タグラインと一緒じゃないの?』となりますが、向きの相違であり、スローガンは企業が自らを定義付けし意思を示すためにインナーに対して用いられるものと位置付けています。
    要するに、昔ながらの企業の〝標語〟や〝モットー〟と言うと、昭和生まれ(?)の方にはわかりやすいかと思います。
    目的別とすると、タグラインはアウターに向けてのブランディング目的、スローガンはインナーに向けてのブランディング目的、キャッチコピーはマーケティング目的と言えるのではないでしょうか。

    ロゴとタグラインの関係値

    タグラインの話に戻しますと、ロゴ+タグラインで企業や商品・サービスのコンセプトや理念を示すものとし、併せたものをコーポレートアイデンティティ(CI=企業/例:ブランドであればBI)と呼ばれます。
    ロゴがシンボルとしての形での表現であるのに対し、タグラインは言葉での表現となります。
    このカタチ(視覚)とコトバ(言語)で形成されることで、その価値を伝える有効な手段とされています。
    またブランドイメージをわかりやすく反映でき、浸透させやすいため、ブランディングにとって重要なものであると言えると思います。

    タグラインをステートメントで解説

    タグラインは端的に短めの言葉で想いを伝えるため、どうしても『?』や誤認が生まれる場合があります。
    そこで、企業によってはステートメントとしてタグラインをわかりやすく文章で解説します。
    コーポレートサイト等のニュース・お知らせコンテンツや、会社概要等でコンテンツ化されている企業も結構多いので、興味のある方はググってみてください。

    タグラインのメリット

    端的で分かりやすく言葉で表現することで、顧客の印象に残りやすいというメリットがあると思います。顧客の印象に残れば、さらに興味や関心を持ってもらい、企業の認知や商品・サービスの購入につながる可能性が高まると思います。
    また、端的にシンプルに表現することで、一目・一読で企業の価値が理解に至るというメリットもると思います。

    企業のタグライン例

    ■西松建設/まかせられる人が、いる。
    ■鹿島建設/100年をつくる会社
    ■セブンイレブン・ジャパン/近くて便利
    ■サントリー/水と生きる
    ■日立製作所/Inspire the Next.
    ■本田技研/The Power of Dreams
    ■日産自動車/SHIT_〇〇
    ■株式会社ニトリ/お、ねだん以上。
    ■カルピス株式会社 /カラダにピース。「カルピス」
    ■カゴメ株式会社/自然を、おいしく、楽しく。
    ■小林製薬株式会社/あったらいいなをカタチにする
    ■味の素株式会社 /Eat Well, Live Well.
    ■NIKE /Just Do It.
    ■intel/インテル入ってる
    ■タワーレコード/NO MUSIC, NO LIFE
    ■コスモ石油/ココロも満タンに

    前回のロゴとの密接な関係である事と、ブランディングにおいて重要な存在である事をお伝えしようと思い、入門編ではありますが、第2回のコンテンツとしてお伝えしました。
    次回以降も、ブランディングに関する話題を掲載しようと思います。
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