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フレーミング効果とは?
フレーミング効果(Framing Effect)とは、同じ意味を持つ情報であっても、切り取り方や焦点の当て方により、受け手がまったく別の意思決定を行うといった効果のことです。
情報のどこにフレームを当てはめるかによって、異なる意思決定を行うことからフレーミング効果と呼ばれます。
アメリカの心理学者ダニエル・カーネマン(Daniel Kahneman)と、イスラエルの心理学者エイモス・トヴェルスキー(Amos Tversky)が、学術誌「Science」に論文"The framing of decisions and the psychology of choice"を1981年に掲載しました。
彼らが行った実験は、「一つだけの質問による心理学(psychology of single questions)」とカーネマンが呼ぶ手法により構成されたものです。実験では以下のような質問を被験者に問いました。
質問1:あなたに以下2つの選択肢が提示されたものとする。
A:100万円が無条件で手に入る。
B:コインを投げて表が出れば200万円が手に入るが、裏が出れば何も起こらない。
質問2:あなたは200万円の負債を抱えているものとし、質問1と同様に以下2つの選択肢が提示されたものとする。
A:無条件で負債が100万円減額される。(負債総額は100万円になる)
B:コインを投げて表が出れば負債が全額免除されるが、裏が出たら何も起こらない。(負債総額は変わらない)
質問1では、どちらの選択肢も手に入る金額の期待値は同額の100万円にも関わらず、
一般的には堅実性の高い「選択肢A」を選ぶ人の方が圧倒的に多いとされています。
質問2も、両選択肢で手に入る金額の期待値は-100万円と同額です。
安易に考えれば、質問1で「選択肢A」を選んだ人は質問2でも堅実的な「選択肢A」を選ぶだろうと推測されます。
しかし、質問1で「選択肢A」を選んだほぼすべての人が、質問2ではギャンブル性の高い「選択肢B」を選ぶことが実証されています。
この実験の結果より人間は目の前に利益があると、利益が手に入らないというリスクの回避を優先し、
損失を目の前にすると、損失そのものを回避しようとする傾向(損失回避性)があるといえます。
損失回避の法則とは?
上記の実験結果より明らかになった、損失回避という性質についてもう少し掘り下げていきます。
得をすることよりも、損をしないことを無意識に選んでしまう性質を説明するのが、損失回避の法則(≒プロスペクト理論)です。
この認知バイアスはフレーミング効果と合わせるとより効力を発揮します。
たとえば、
「これを試した80%の方はダイエットに成功しました」と「これを試した20%の方はダイエットに失敗しました」では、同じ内容だとしても受ける印象はかなり変わります。
失敗したくない私たちは、後者のコピーがついた商品は確実に購入しないでしょう。しかし、前者のコピーがついた商品であれば、購入する可能性はずっと高くなるはずです。
また、逆転の発想になりますが、扱うものによってはメリットよりもデメリットにフォーカスを当てた方が効果を発揮することもあります。
たとえば、とあるアンチエイジング製品のキャッチコピーとして
「老化の防止をお手伝いします!」と「放っておくと、老化の原因に?!」の2つがあれば、
後者のコピーにインパクトを受けるユーザーが多いと考えられます。
この場合、老化=損失/デメリットという考え方になるので、老化防止、といえば得になりますが、老化の原因、といえば損となります。
後者のようにあえてデメリットにフォーカスすることで、
損をしたくない私たちはこのようなコピーのついたものに興味を引かれるといえるのです。
WEBサイトに活かす
メリット・デメリットを伝えるときなどには、この「フレーミング効果」を意識するとよいでしょう。
ホームページ上で、できるだけメリット、場合によってはデメリットを大きく見せる表現を追求すれば、内容を改善する手間なしでCVを高められる可能性もあります。
実例をいくつか挙げていきます。
「3人に1人がリピート中」
30%のユーザーがリピート中、というコピーと同じ意味ですが、
3人に1人がリピート、と表現した方がより多くの人が使っているように感じられると思います。
多くの人が使っている=良いものであるという先入観を活かしていますね。
「まもなく終了」
メルマガや企業の公式LINEメッセージ等で多く見られる文言です。
今を逃すとクーポンの割引が使えなくなってしまうから損をする、とユーザーに感じさせ、
結果的に購入を促すという方法です。
同じようなテクニックとして、「〇点以上購入で■%OFF」「〇円以上で■%OFF」というコピーもあります。
これも〇点/〇円分購入しないと割引が無効になって損をしてしまう、とユーザーに感じさせ、結果的に購入を促します。
「ビタミンC1000mg」
1000mg=1gです。
ビタミンC1g配合というよりも、ビタミンC1000g配合と謳う方がより効果があるように感じられるので
1桁下の単位に合わせています。
また、栄養素系でいえば「レタス〇個分の食物繊維」も有名な例です。
レタスは食物繊維を多く含む野菜ではありません。
しかし「ごぼう1本分の食物繊維」というよりも「レタス3個分の食物繊維」という方が
1度に食べる量には多く感じるといえます。
そして、レタス3個分もの食物繊維がたった1粒/1杯/1袋でまかなえるため、ユーザーは得をしているように感じられます。
最後に
いかがでしたでしょうか?
今回は心理学におけるフレーミング効果についての解説でした。
皆さんの生活に活かして下さいますと幸いです。
最後まで読んで頂きありがとうございました。