目次
System Quality Attributesとは?
システム品質特性は、「システムがどのように機能すべきか」ではなく、「システムがどのように感じられるか、利用されるか」を表します。
簡単に言うと、“システムの性格”のようなものです。
主な品質特性
性能(Performance)
「どれくらい速く動くか?」
アプリの応答速度や同時ユーザー数に関係します。
例:検索結果が1秒以内に返ってくる。
可用性(Availability)
「どれくらい止まらずに使えるか?」
システムがどの程度の時間稼働しているかを示します。
例:99.9%の稼働率(年間ダウンタイムは9時間以内)。
信頼性(Reliability)
「どれくらい安定して正しく動くか?」
システムが予期せぬエラーを起こさず動作すること。
例:データが壊れない、途中で処理が落ちない。
保守性(Maintainability)
「修正や改善がしやすいか?」
開発者がコードを直したり機能を追加したりする際の容易さ。
例:新しい機能を数日で追加できる。
拡張性(Scalability)
「利用者や処理が増えたときに対応できるか?」
システムが成長に耐えられるかを表します。
例:サーバーを追加すれば同時接続数を10倍にできる。
セキュリティ(Security)
「安全に使えるか?」
不正アクセスや情報漏洩を防ぎ、ユーザーを守る力。
例:ログインは必ず暗号化通信を通す。
ユーザビリティ(Usability)
「使いやすいか?」
操作が直感的かどうか、学習コストが低いか。
例:初めてのユーザーでも数分で操作できるUI。
どう使われるの?
システム品質特性は、開発の初期段階で非機能要件として明確にします。「どの程度の性能が必要か」「可用性はどれくらい求められるか」といった指標を決めておかないと、後から手直しが難しくなります。
実際のシナリオで考える
- ECサイト: 性能(大量アクセスでも落ちない)、セキュリティ(個人情報保護)、可用性(セール中に止まらない)。
- 銀行システム: 信頼性(誤った残高を出さない)、可用性(24時間365日稼働)、セキュリティ(不正アクセス防止)。
- スタートアップのサービス: 拡張性(ユーザー増に耐える)、保守性(素早く改修できる)、ユーザビリティ(初心者も迷わず操作)。
6. まとめ
System Quality Attributes(システム品質特性)は、システムがちゃんと使えるか、安心できるか、長く運用できるかを決める大切な要素です。機能だけでなく、品質特性を意識することで「使えるシステム」から「信頼されるシステム」へと成長できます。