エリアごとに複数の斎場を持ち、葬儀・法要・相談対応までを一貫して行う葬儀会社において、Webサイトの使いにくさと情報分散が課題となっていました。 「急ぎで相談したい」「近くの会場をすぐ探したい」といった利用者ニーズに応えることができておらず、ブランドの信頼性や問い合わせ件数に直結する問題と捉え、情報構造と導線設計を抜本的に見直すリニューアルを実施しました。
想いに寄り添う予約体験
複数拠点・葬儀予約の導線設計を強化葬儀会社サービスのリニューアル
課題
「情報の分散」と「不安への配慮不足」が機会損失に
複数の自社葬儀場を抱える葬儀会社において、既存サイトでは地域別の施設情報がページごとに個別管理されており、利用者が目的の式場にたどり着きにくい構造になっていました。
また、「今すぐ相談したい」「資料だけ取り寄せたい」「場所を確認したい」など、状況に応じた導線設計がなされておらず、結果的に電話問い合わせや他社への離脱が多数発生している状況でした。
さらに、スマートフォン閲覧への最適化が不十分で、特に高齢者やご家族が緊急時にアクセスした際に「必要な情報にたどり着けない」不安感が顕在化。
社内側でもCMSが導入されておらず、法要案内や予約状況などの更新に手間がかかるなど、情報鮮度の維持や対応スピードの点でも課題を抱えていました。
施策概要
目的別導線と安心感を両立するWeb体験へ刷新
利用者の心情や行動特性を丁寧に分析した上で、サイト構成・導線を再設計。
まずは「近くの会場を探したい人」「すぐに相談したい人」「検討中の人」という大きく3パターンのペルソナを定義し、それぞれが短時間で必要な行動にたどり着けるよう導線を再構築しました。
施設検索機能を中心に据えつつ、「今すぐ電話相談」「資料ダウンロード」「事前見学予約」など目的別にCTAを強化。
視覚的なストレスを感じさせないよう、配色や文字サイズも配慮した安心感のあるUI設計を採用。
社内更新の効率化と情報鮮度向上を両立するためCMSも新たに導入し、式場案内・法要スケジュール・イベント情報などの発信をリアルタイムで行える体制を整備しました。
施策のポイント
安心して「探す・選ぶ・相談する」導線を実装
- 斎場検索機能の導入
地域別/施設規模/設備条件から絞り込める機能を実装し、候補施設を比較検討しやすい環境を整備 - 明確なCTA設計
「今すぐ相談」「資料請求」「見学予約」など3種のCTAを明示し、迷わずアクションにつながる動線を設計 - CMSによる情報更新の内製化
イベント告知や法要スケジュールの更新を内製化し、即日での情報公開が可能に - 信頼感を高める斎場紹介
スタッフ写真や設備紹介動画を掲載し、現場の雰囲気が伝わるように設計(信頼感・安心感の訴求) - Googleカレンダー連携での予約対応
一部会場ではオンラインでの法要予約にも対応し、相談から申込みまでをワンストップで完結できるよう改善
成果
「CVR」「情報接触」「業務効率」の全方位で改善を実現
- スマホ経由の予約完了率向上
導線の再構築と情報の統合により、スマホ経由での予約完了率は約1.3倍に向上 - 資料請求数の増加
資料請求数も従来比で約2.2倍に増加し、検討層の見込み顧客化が進展 - サイト滞在時間の伸長
検索フィルターと斎場情報ページの改善により滞在時間は1.5倍に伸長 - 情報更新の内製化と効率化
CMS導入により、お知らせや施設紹介の更新を社内で対応可能にし、更新リードタイムを50%以上削減 - 問い合わせ負荷の軽減
「場所が分からない」「相談先が見つからない」といった問い合わせが減り、スタッフの対応負荷も軽減
成功要因と今後の課題
「操作性 × 情報の信頼性」設計がブランド体験を変えた
利用者の状況を想定したペルソナ設計により、“急いでいる人も、じっくり検討する人も迷わない”導線構築が可能となり、サイト体験全体に安心感と納得感が生まれました。CMS化により、社内でも迅速な情報更新ができるようになったことで、情報鮮度が保たれ、ユーザーとの信頼関係醸成にも貢献しています。今後はFAQコンテンツの充実やLINEでの個別相談受付、Googleビジネスプロフィールとの連携によるローカルSEO強化など、地域密着型サービスとしての磨き込みが求められます。さらなるユーザー体験向上と、集客基盤の強化が次なるフェーズです。
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