近年、ゲーム内で撮影された「バーチャルフォトグラフィ(VP)」を共有する文化が拡大しており、ユーザー自身が生み出す体験価値(UGC)を活かしたプラットフォームへの期待が高まっています。本事例では、VP特化型SNSサービス「GAME PHOTOPEER」のUI/UX設計とプロダクトビジョン定義を通して、ユーザー行動の活性化・定着率向上・開発方針の整合を目指しました。関係者間で共有されていなかった「誰に」「何を届けるか」をビジョンとして明文化し、UI設計・CMS・指標設計までを一気通貫で設計しました。
推し文化×ゲーム×写真
“バーチャルPHOTO”の体験価値を最大化するSNSサービスの構築
課題
“何を誰に届けるか”が見えない──
立ち上げ期プロダクトの迷いと模索
新規立ち上げプロダクトであり、「誰に」「何を届けたいか」が曖昧で、開発優先順位の基準が不足
“バーチャルフォト”を扱うSNSに最適なUI/UXが未定義
外部SNSとの連携や非会員導線が不明瞭
施策概要
ビジョンと言語化からはじまる、
プロダクト戦略の再構築
プロダクトビジョン策定:Who/Why/What/When/Howの5問いをベースにビジョンと戦略の言語化
ユーザー類型の再定義:VPユーザーを4象限で分類し、機能・UX方針を策定
UI/UX施策:表示切替ボタン、スクロールバー、ラベル表記、マウスオーバー効果など細部を実装
CMS構築:イベントCMSにTinyMCEエディタ導入、募集要項の更新作業を効率化
外部導線の再設計:SNSシェア時の非会員登録導線を設計し、流入→登録率の向上を図る
施策のポイント
ユーザー視点と運営効率を両立
- ペルソナ設計の精緻化
アート撮影型VP/ライフロガー/二次創作層/バズ系投稿層などを分類 - インタラクション設計の見直し
マウスオーバー時の色彩変更、スクロールバーの表示可視化 - UXの連続性強化
フォト未投稿時のカバー画像導線整理、ボタンラベルの具体化 - CMS側効率化
ブロック要素編集が可能なエディタ導入により、募集要項・受賞作品のHTML記述を廃止 - KPI設計と分析基盤構築
KGI/KPI/NSMを整理し、GA4と連携してデータ活用可能な体制に
成果
投稿CVR1.9%、SNS導線で流入倍増──見える成果が次の判断軸に
- 投稿CVR1.9%
約1.1%(UI不備あり)→ 1.9%(タイトル欄改行/ラベル明確化) - SNS流入CVR1.6%増
測定不可(導線未設計) → 0.8% → 1.6%(非会員導線設計) - CMS更新工数66%減
約45分/1件 → 15分以内に短縮(エディタ導入) - プロダクト指標レビュー頻度
年間1回以下 → 月次ペースでKPI可視化/運用に移行 - アクティブ投稿者数(週次)
測定不能 → 可視化体制構築済/VP層の伸び顕著
成功要因と今後の課題
思想を可視化し、定着と収益化のフェーズへ
プロダクトの思想を「文書」として明文化し、それを基にUI/UX設計、指標設計、CMS構築を一気通貫で進めたことが本施策の最大の成功要因です。ユーザー分類による体験設計や、CMSの業務効率化により、運営と開発の両輪で生産性と品質を高めることに成功しました。
一方で今後の課題は、アクティブユーザーの定着率向上と、特に「潜在層」へのアプローチです。また、収益モデルに関してはNFT化・デジコン課金などの選択肢が検討されていますが、明確なマネタイズ導線構築はこれからのフェーズとなります。
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