SNSや動画サービスの隆盛により、ブログ市場は一見成熟フェーズに突入したように見えます。しかしながら、特定の世代に根強い支持を持つメディアでは、サービス刷新による再成長のチャンスが眠っています。本事例の企業は、40代〜50代の利用者を中心としたブログサービスを運営しており、時代に合わせたUX/UIの刷新が求められていました。ユーザーの心理的満足度を高め、CGM型(消費者が自ら作成・発信する情報によって成り立つメディア)の定着率と新規流入の双方を高めることを目的に、ペルソナ設計やカスタマージャーニーの徹底分析をもとにリニューアルが進められました。
越境ECの限界に挑む
UI/UX再設計と業務連携によるEC基盤刷新プロジェクト
課題
BtoC視点ゼロの旧設計
“買いにくい・運営しづらい”が離脱と非効率を生む
BtoCを意識した設計ではなかったため、個人顧客にとっての使い勝手が低い
検索機能が限定的で、目的の車種にたどり着くまでの離脱が多発
決済・在庫連携が別システムで管理されており、業務に無駄やミスが生じやすい
管理画面が属人化しており、更新や運用の属人的負担が大きい
施策概要
購入体験と運用効率の両立を目指した、
フロントとCMSの再構築
MyPageを除く全体的なフロントエンドとCMSの再構築
BtoC購入導線に特化したUI/UX設計を導入し、導線の再整理と設計最適化
一貫性のあるデザインガイドラインを整備し、全画面に統一感を持たせることでユーザーの迷いを排除
在庫・決済のリアルタイム性を担保するため、社内基幹システムとのAPI連携を強化
管理者向け画面をCMS化し、商品登録、注文処理、コンテンツ編集の内製化・高速化を実現
施策のポイント
“探す・比べる・買う”を徹底最適化──
グローバルUI設計
- ユーザー行動を起点とした画面遷移設計
検索→比較→詳細→注文→支払いの導線を徹底的に可視化し最適化 - モバイルUI重視のレスポンシブ設計
グローバルでも主流となったスマートフォン利用に最適化したデザイン - 多言語決済連携の信頼性向上
支払い後のステータス反映や不整合の発生リスクを抑えるリアルタイム連携 - 柔軟な検索フィルタ管理機能
カテゴリ・国別レギュレーション・取扱モデルの増減にも耐える構成を導入 - CMSによる非エンジニア運用の実現
メルマガ・ニュース・特集企画などをチーム内で随時更新可能に
成果
CVR2.1倍・会員登録数1.6倍──
現場と数字が応える改革の手応え
- CVR2.1倍
改善前 約1.2% → 改善後 約2.5%(約2.1倍に向上) - 離脱率30%減
改善前 約52% → 改善後 約36%(約30%改善) - 商品管理更新工数75%減(1商品あたり)
改善前 約60分 → 改善後 約15分(約75%削減) - 問合せ→注文化追跡
改善前 測定不能 → 改善後 定型テンプレート活用により可視化 - 会員登録数66%増(月間平均)
改善前 約600件 → 改善後 約1,000件(約66%増加)
成功要因と今後の課題
“買いやすさ”と“回しやすさ”の両立が鍵──
次はLTVとグローバル展開へ
本分析により、ターゲット層の深いインサイト理解に基づく包括的改善戦略を策定できました。Web広告・SNS・SEOを連動させた多面的アプローチの設計、ブランドイメージを維持しながらのUI/UX改修方針、CTAの最適化によるCVR向上施策など、具体的かつ実現可能な改善ロードマップをご提示しました。
特に、SNSを活用した体験価値発信による潜在顧客層へのリーチ戦略と、段階的なエンゲージメント向上施策の組み合わせにより、ブランド認知から購買に至る一連の顧客体験を大幅に改善できる可能性を明らかにしました。
今後実装を検討される際の重要ポイントとして、SNSエンゲージメントから購買への「ナーチャリング」強化、リピート顧客育成のためのCRM施策、広告費対効果の継続的最適化、動画コンテンツ活用、リアルイベントとの連動など、中長期的な成長戦略もあわせてご提案いたしました。
#UIUX改善
#SNS・SEO活用
#KPI・CVR改善
#CMS導入・運用効率化