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    ゴールデンサークル理論とは?

    ゴールデンサークル理論は、サイモン・シネック氏が先進的な企業やカリスマ的指導者の共通点から導き出した理論で、相手にものを伝えるときには 「What(何を) → How(どうやって) → Why(なぜ)」 の順で伝えるのではなく、 「Why(なぜ) → How(どうやって)→ What(何を)」 の順で伝えれば、相手を共感させて行動を促すことができると説いています。

    ゴールデンサークル理論の具体例

    例えば、 「(What)この自動車はガソリン不要で電気だけで動かせます。(How)この車は世界中から人を集めて作りました。(Why)ガソリンを使わないので、排気ガスの排出もなく地球にもクリーンなのです。」 とWhatから伝えるよりも 「(Why)私たちは地球をクリーンにするために設立した会社です。(How、What)私たちの信念に大いに共感したメンバーが世界中から集まり、地球の環境を考えて開発したのが排気ガスの排出が一切ないこの電気自動車なのです。」 とWhyから伝える方が信念に共感してもらいやすく、自分ごとのように興味を持ってもらいやすいでしょう。

    ゴールデンサークル理論は生物学的の原理に基づいている

    また、このゴールデンサークル理論は心理学ではなく、生物学的原理に基づいていると考案されているのも非常に興味深いです。

    ゴールデンサークルと脳の構造は似ている

    ゴールデンサークルの中心には最も大切な要素である「Why」があります。一方、人間の脳の中心には「大脳辺縁系」と呼ばれる、言語を持ちませんが本能行動、動機付け、意思決定をする構造体があります。 ゴールデンサークル理論は脳の構造と同じく、「人間の意思決定を司る領域」にあたる「Why」から話を伝えることで、より相手に意思決定させやすくする効果があると考えられるのです。 もし、「商品の良さや開発にかけた長い時間はよく分かったし、商品にも非の打ち所がないんだけれど、なぜか購入にはいたらないんだよなあ」というような場合、意思決定や共感に関わる「Why」の説明が欠けている可能性が考えられるのではないでしょうか。

    ゴールデンサークル理論はさまざまな業種に当てはめられる

    もちろんこのゴールデンサークル理論はさまざまなビジネスにも適用できます。

    システム開発を外注先に依頼する時にゴールデンサークルを利用するとすれば…

    もしあなたがIT担当者で外部のベンダーにシステム構築を依頼するとしましょう。よくある相談の流れとして、「〇〇といった機能を持つシステムが欲しい。予算は〇〇円以内、スケジュールは〇〇月まで」という依頼の仕方が多いのではないのでしょうか。 このように案件を進めても問題はないのですが、万が一システム開発が難航してしまい、一部の機能開発を見送るとなった場合、リリースが迫ったスケジュールの中で、何を基準に機能を区分するのかを議論する時間が必要になるでしょう。 しかし、「日本各地にある支店では、それぞれの商慣習に従い在庫管理方法がそれぞれ異なっている。支店ごとの管理方法の差異を無くして合理的に一元管理するためのシステム構築が目的」というようなWhyが前提にあれば、必要機能の優先度にブレが生じることもなく、ベンダーともスピーディーに認識合わせできるはずです。

    ゴールデンサークル理論を使って相手をうまく巻き込もう

    ゴールデンサークル理論を活用して信念となる部分を相手に伝えて共感を得られれば、プライベートやビジネスなどの関係性に関わらず、今後大きな協力者になってくれる可能性があるでしょう。 ただし、嘘偽りのある信念であればすぐに相手にバレてしまいますし、そもそもゴールデンサークルは小手先のテクニックで相手を騙すような理論ではないので、そこは間違いのないようにしてください。 クライアントをうまく巻き込めず案件の進行にご不安やお悩みがあるお客様は、ぜひ弊社アイデアランプまでお気軽にご相談ください。


    参考

    TED「優れたリーダーはどうやって行動を促すか」
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