TSUMUJIを利用して
災害対策と観光サービスを両立

テロや災害時にドローンを利用すれば
被害者・被災者の位置や数
状況の把握に役立つのではないかと考えた
長崎大学准教授一藤氏と株式会社レボーンの松岡氏は
チュニジアでTSUMUJI(ドローン+AI)の飛行実験を行いました

TSUMUJIとは一体どんなもの?

ドローンを使用した緊急災害時救助システムを今回TSUMUJIと名付けました。
TSUMUJIの名前の由来は、上空を飛びまわり人の頭(つむじ)を上から見ることができるためです。

TSUMIJIは個々のドローンにAI(Artificial Intelligence)が搭載されていて、
TSUMUJI同士が自動連携してネットワークを構築します。 TSUMUJIとユーザーの会話はすべてチャットで行われます。ユーザーが現在どのような状況なのかをTSUMUJIが質問をして、ユーザーは自身の状況をTSUMUJIを介して救助者や操縦者に伝えることができます。

また、すべてのユーザーの状況が共有されるため、緊急時に被害者・被災者の状況に優先度をつけて緊急搬送の順位・搬送先施設の決定をすることもできます。

AIを搭載したTSUMUJIができること

1

複数のドローンで要救助者の位置を特定

複数機のドローンに搭載されたTSUMUJI AI同士が通信することで、 ユーザーの位置や状況を素早く特定することができます。相互通信して捜索範囲を拡大することができます。

2

取得データの共有

TSUMUJIに繋がっている全ユーザーの情報がTSUMUJI AIを介して相互共有されます。例えば、ユーザーAとドローンaが通信した場合、その情報は、管理者もしくは救助者に情報共有されます。

3

あなたの専用オペレーターとして行動

TSUMUJI AIはユーザーとのチャットを通じて、助けを求めている人と助ける余裕がある人を切り分け、その人が何を求めているかを解析して行動します。まるで、災害時にユーザー専用のオペレーターがいるかのように動作します。

緊急時に安全な避難経路を知ることや復興のための正確な被災情報を知ることは必要不可欠ですが、基地局・伝送設備は被害を受けスマートフォン端末はオフラインとなり、もしオンラインであったとしてもWebサイトからはアクセスが集中し、Webサーバーがダウンすることから情報を取得することは困難です。

そこで、緊急時のオフラインによる通信の問題を解決するために、通信モジュールとアプリケーションの開発をし、TSUMUJIではメッシュネットワークシステムを構築しました。

メッシュネットワークを用いた地図共有システムを利用すれば、非常時でも適切な避難経路を取得でき、仮想的にオフラインをオンラインにすることができます。

また、今後の課題としてはネットワークの規模を大きくした場合における通信モジュールの通信品質の評価を必要とします。

AIを搭載したTSUMUJIがあれば、
緊急災害時にインターネットが無くなっても
一時的にネットワークが構築され情報が共有されるので、
被害者・被災者の重症度・位置などから
優先度を決定して救助を行うことができます。

チュニジアでの実験

2017年5月、一藤氏と松岡氏は、
観光立国として知られる北アフリカの国、
チュニジアでドローンの飛行実験を行いました。
今回実験を行った場所はイタリアが対面に見える地中海の砂浜、
良く晴れて少し風が強い日でした。

実験内容

  1. ドローンとWi-Fi端末の安定的な通信可能範囲

    はじめに通信が切れそうな位置を確認し、
    その前後5mで通信が不安定になる地点を取得し、安定的な通信可能範囲を決定する。

  2. ドローン同士の安定的な通信可能範囲

    上記と同様に、ドローン同士で安定的な通信可能範囲を決定する。

実験結果

  1. ドローンとWi-Fi端末の安定的な通信可能範囲は高さ最大120M、横距離最大100M

  2. ドローン同士の安定的な通信可能範囲は最大100M

観光客にもドローンをもっと身近に

近年、観光客は自撮り棒などを使用して撮った写真をSNSにあげることが多くなっています。
TSUMUJIでは、より独自の写真を撮りたがる観光客に対し、ドローンによる空撮写真を提供することもできます。
緊急災害時にドローンの操作方法がわからない・存在を知らないという状況を防ぐことにも繋がります。

人物紹介

一藤 裕
国立大学法人 長崎大学 ICT基盤センター
准教授ナレッジプラットフォーム部門 部門長
2010年東北大学大学院情報科学研究科博士後期3年の課程修了。博士(情報科学)。
同年、情報・システム研究機構新領域融合研究センターの特任研究員を経て、
2016年4月より長崎大学ICT基盤センターの准教授として、
観光に関するデータ分析に関する研究に従事。
2015年ドコモ・モバイル・サイエンス賞社会科学部門奨励賞を受賞。
松岡広明
株式会社レボーン
CEO,エンジニア
僅か13歳の頃に、2003年のポルトガルで行われた
第8回RoboCup世界大会で準優勝を勝ち取り、
その実力を全世界に見せつける。
長崎大学時代には工学部工学研究科を専行、
主にドローンなどを使った災害時におけるシステムを研究・開発する。
また、在学時に東日本大震災に遭遇。
自衛隊や米軍よりもいち早く船で救援物資を運びつけ、
被災者の支援を行った。

今度の展望

緊急時や災害時に利用できなくては意味がないので、
実際のシチュエーションや環境を想定して次の実験を行いたいと考えております。

TSUMUJIシステムの知名度を上げるために、
導入してくれる自治体や環境に理解や関心を得るために精力的に活動をしていきます。

TSUMUJIにご興味のある方はお気軽にお問い合わせください。

関連企業

Reborn(再生)×Revolution(革命)
「時代遅れを最先端に」をテーマに、
目に見えるものを創造し続け、
新鮮な感動を世界中に伝えます。
今回実験を行った松岡氏が代表を務める会社です。
Webサイト/スマートフォンアプリの企画・開発・
制作及びプロモーション・運用保守、
インターネット広告の企画、
制作及び運営を行っております。
今回の実験ではideaLump Tunisiaと共に
全面的に協力を致しました。