目次
今回の要件
今回、発注時の要件は以下のようなものでした。①4週間後にリリースしたい
②全世界向けに多言語、多通貨対応したい
③高額商品(最高額700万円)なので、高級感やホスピタリティも醸成したい
④抽選販売を実装したい
⑤仮想通貨決済を実装したい
⑥商品の詳細や業務フロー(配送・抽選方法)などが未定
納期が短いことはもちろん、実装したい機能やデザインもチャレンジングなものが多く、実装調査やデザイン調整も効率的に行う必要がありました。
それでは、それぞれの要件をどのように解いていったのか説明していきます。
構築方法
①4週間後にリリースしたい②全世界向けに多言語、多通貨対応したい
これらの要件を満たすため、今回はShopifyを使ってECサイトを構築することにしました。
Shopifyを導入した理由は以下です。
・決済機能がついている
・カナダ発のプラットフォームであり、グローバルに展開している
今回は決済機能を開発・テストする猶予がないため、既にあるECプラットフォームを使用する必要がありました。
その中でもグローバルにサービスを展開しているShopifyは多言語対応・多通貨対応がしやすく、UIもグローバル基準なので採用することにしました。
デザイン
③高額商品(最高額700万円)なので、高級感やホスピタリティも醸成したいという要件はあるものの、デザイン・コーディングも悠長にできないスケジュールのため、いかに短期間でブランドの空気感を醸成するかが課題でした。
その点、海外基準のクオリティの高いテンプレートが豊富にあることもShopifyを導入した理由の1つです。
ただし、いくらクオリティの高いテンプレートがあるとはいえ、そのまま使うには高級感やホスピタリティの醸成には不十分です。
また、英語を基準としてつくられたテンプレートのため、日本語にするとダサくなってしまうという懸念点もありました。
そこでテンプレートをカスタマイズするのですが、最小限の工数で全体のデザインを整える方法をデザイナーさんと議論し、以下のように工夫をし進めました。
・ページネーションを少なくする
・力を入れる点と入れない点を明確にする
・繰り返し使えるモジュールで構成を考える
特に「繰り返し使えるモジュールで構成を考える」は実際に手を動かしているデザイナーさんならではの知恵で、デザイン工数を短縮するための構成の工夫があることは今後も活かしていきたいです。
機能実装
④抽選販売を実装したいこの要件はShopifyのプラグインを使用することで対応しました。一言に抽選販売と言っても、プラグインによって設計思想や業務フローが全く異なるので、慎重な調査が必要です。概要を読むだけではなく、実際にテストサイトに実装してみて仕様の検討を行いました。
仕様調査に関しては効率化する余地があまりないものの、スムーズに実装できるかを考えアプリを選定いたしました。
例えば
・取扱説明書やFAQが充実しているか
・問い合わせの対応が早い&丁寧か
・わかりやすいUIか
などをチェックし、プラグイン開発側のフルサポートを受けるため、最高額のプランで導入を行いました。
⑤仮想通貨決済を実装したい
これについては、調査して実現不可であれば実装しない予定でしたが、なんとShopifyデフォルトで仮想通貨決済に対応しているようでした。
デフォルトで対応してるというものの、どの通貨を使用するのか・ウォレットは何を使用したら良いのかなど、自分に知見がないため調査に時間がかかってしまいました。もっと知見のある人に早く聞いておけば、他のことに注力できたのでは、、と反省しています。
コミュニケーションの効率化
⑥商品の詳細や業務フロー(配送・抽選方法)などが未定この要件が一番工夫が必要でした。見積もり上、あくまでこちらはEC構築のみですが、構築に必要な素材やテキスト、商品情報などの準備はクライアント側に動いていただかないといけません。
短期間で必要な素材や情報を揃えるため、クライアントとのコミュニケーションのとり方にも工夫をしました。
コミュニケーションの効率化はクライアント側のご担当者から大きく学ばせていただいた部分も大きいのですが、まとめると以下のようなことを行いました。
・タスクを洗い出し、WBSにすべてを集約する
・情報は一箇所(Googleスプレッドシート)で管理
・Slackのコミュニケーションを整理する
誰が見てもわかるように情報を集約、整理することで徹底的に無駄を省いたコミュニケーションに留意しました。
例えば、WBSを全て正とし「〇〇の素材手配の進捗はどうですか?」などの進捗確認は禁止、質問がある場合はディレクター・PMなどの窓口を通さず各担当者に直接確認する、などのコミュニケーションルールがありました。
Slackのチャンネルも遡りやすいように話題ごとに見出しをつけたスレッドを立て、「あれどうなってましたっけ?」というコミュニケーションを徹底的に排除するようなルールがありました。
もちろん、このようなコミュニケーションルールをクライアントと議論している時間はないので、業務を進めながら、相手が効率的なやり方をしていたらそれを真似する、というのを暗黙にやっていきました。
まとめ
いかがでしたでしょうか?最初は無理、、と思った案件ですが、1つ1つ要件を整理し、適宜チームメンバーやクライアント担当者の知恵をお借りすることで作業を効率化し、なんとかリリースすることができました。
また、このような緊急事態?案件に自分のリソースを割くため、もともと抱えていた案件をいろんな方にサポートしていただきました。
学びの多い案件でしたが、それ以上にさまざまな方の協力があってこそ難しい課題は実現できるのだなあ、、と改めて実感した案件です。
みなさんのご参考になれば幸いです!